AI(人工知能)は、今や日常生活から産業分野に至るまで広く浸透し、さまざまな分野で活用されています。しかし、「AIは何でもできる」という誤解が広がる一方で、AIの本当の能力や限界を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。
慶應義塾大学の栗原聡教授は、日本を代表する人工知能研究者として、AI技術の最前線で研究活動を続けています。栗原教授の研究テーマは、自律型AIや群知能、複雑ネットワーク科学といった分野に及び、人間とAIが互いの強みを活かし、共に社会を形成する「人とAIとの共生社会」の実現を目指しています。
栗原教授が著した『AIにはできない――人工知能研究者が正しく伝える限界と可能性』では、現在のAI技術が抱える根本的な限界と、その限界を乗り越えるために人間が担うべき役割について深く掘り下げています。教授は、本書の中で特に「創造性」「倫理的判断」「共感力」などの領域に焦点を当て、AIが不得意な分野を具体的な事例とともに解説しています。