【中編のエッセンス】
日本の大学でデータサイエンス教育が広がることを、皆本晃弥氏は歓迎している。一方で、海外企業のAIやデータサイエンスを使うだけでは、「デジタル小作人」になりかねないとも警鐘を鳴らす。佐賀大学では、リテラシーレベルから応用基礎レベル、エキスパートレベルまで、一貫した教育環境を整備してきた。2016年からはデータサイエンスのインターンシップを始め、企業・自治体と連携しながら、できるところから教育を積み上げてきた。こうした取り組みの背景には、数学的な理論だけでは捉えきれない現実を、データに基づいて考える力が今後不可欠になるという認識がある。日本が目指すべきは、既存のプラットフォームを使う「顧客」ではなく、自らプラットフォームを生み出す「胴元」の側に回ることだ。AIがコモディティ化するほど、数学的原理を理解し、独自のアルゴリズムやデータを生み出す力が競争力になると説く。
【中編のキーメッセージ】
キーメッセージ①
データサイエンス教育は「使う人」を増やすだけでは不十分である。AIやデータサイエンスを表面的に利用するのではなく、自ら考え、技術を理解して活用できる人材を育てることが重要になる。
キーメッセージ②
日本は「デジタル小作人」ではなく「胴元」を目指すべきである。海外のプラットフォームを利用するだけで終わらず、強みのある領域に集中し、自らサービスや技術を生み出す側に回る必要がある。
キーメッセージ③
AIがコモディティ化するほど、「人と違う力」が価値になる。誰もがAIを使える時代には、数学的原理を理解し、独自のアルゴリズムを考え、目的に合ったデータを見極め、整え、特徴量を設計する力こそが差別化と競争力につながる。